4/23にセミナーを開催します。
タイトル:“Analytical study of birefringent cavities for axion-like dark matter search and infrared physics in QED”
日 時 : 2026 年 4 月 23 日(木)16:15~17:15
会 場 : 共創イノベーションラボ KIBINOBE 5F コネクトスタジオ
講 師 : 倉 本 祥 至 氏
総合研究大学院大学(KEK) 理論センター
【講演要旨】
アクシオン様粒子(Axion-Like Particles, ALPs)は光子と相互作用する中性擬スカラー粒子であり、
ダークマターの候補物質として探索されてきた。近年では、それまで探索されてこなかった質量の
ALP をターゲットとした探索が考えられてきている[1]。特に neV 以下の軽い質量では光共振器と光の
偏光を用いた探索方法が考えられている[2]。この方法では、ALP と光の相互作用によって生じる偏光
の微小な変化を測定する。しかしながら、共振器のミラーには複屈折性があり、これによって偏光が
回転したり、共振周波数が偏光によって異なる状況が生じる。これによって ALP の信号が非共鳴とな
り測定感度が低下する。本発表では、光共振機を用いた ALP 探索について説明を行う。そして、波長
板モデルを用いてミラーに複屈折を導入し、感度がどのように変化するのかを説明する[3]。
本発表は上記の内容が主であるが、発表者の最近の研究テーマである量子電気力学 (Quantum
Electro Dynamics, QED) における赤外の物理についても簡単に紹介する。QED では輻射補正に現
れる低エネルギー仮想光子によって散乱振幅が発散するため、有限の観測量を得るためには見え
ない低エネルギー実光子を考慮する必要があることが知れられている[4]。近年、この議論は無限遠
で有限の寄与を与えるゲージ変換 (Large Gauge Transformation, LGT) と密接に関わっていること
がわかったことで、再び注目を集めている[5]。
[1] C. B. Adams et al., arXiv:2203.14923v3
[2] I. Obata, T. Fujita, and Y. Michimura, Phys. Rev. Lett. 121, 161301 (2018)
[3] T. Kuramoto et al., Phys. Rev. D 113, 055009 (2026)
[4] S. Weinberg, Phys. Rev. 140, B516 (1965)
[5] A. Strominger, arXiv:1703.05448v2 [hep-th]
問い合わせ先:異分野基礎科学研究所 量子宇宙研究コア
増田 孝彦(Email:masuda@okayama-u.ac.jp 内線 8489)