4/2(水)にKOTO実験のセミナーを開催します.詳細は以下の通りです.
タイトル:中性 K 中間子の稀な崩壊で探る素粒子標準理論を超えた新物理
講師:南條創さん(大阪大学理学研究科・教授)、塩見公志さん(高エネルギー加速器研究機構・研究機関講師)
日時:2025年4月2日(水) 15:00-16:30
会場:コラボレーション棟コラボ室
講演要旨
素粒子物理学の標準理論は素粒子の振る舞いのほとんどを記述できるが、宇宙の物質と反物質の非対称性など、説明できない現象もある。そのため、高いエネルギースケールでは標準理論を超えた新物理が存在すると考えられている。新物理の探索の一つの方法は、稀な反応を通して、不確定性原理により短い間は存在可能な重い粒子の影響を観測することである。
中性 K 中間子の 𝑲𝑳 → 𝝅𝟎𝝂𝝂 崩壊は 𝟑 × 𝟏𝟎𝟏𝟏 という非常に小さな崩壊分岐比の上に、理論計算の不定性が 2%と小さい。そのため、標準理論を超えた新物理からの小さな寄与を分岐比からのズレとして観測可能である。
本講演では茨城県の東海村の J-PARC で世界最高感度での 𝑲𝑳 → 𝝅𝟎𝝂𝝂探索を行っている KOTO 実験のこれまでの歩みと今後の展望について紹介する。そして、将来実験である KOTO II 実験について紹介する。